頭痛、首や腰の痛み～異議申立てで14級認定～

部位頭、首、腰症状痛み

札幌市在住主婦

交差点を直進中に右からきた車に衝突された事故

道路脇や中央分離帯に雪山ができている見通しの悪い道路をゆっくり走行していたところ、突然、右方から直進してきた加害車両に衝突された事故。頚椎捻挫や腰椎捻挫、左膝挫傷と診断されて治療を続けていましたが、4か月経過後に加害者側の保険会社より一方的に治療費を打ち切る旨、連絡を受け、困惑されて弁護士に相談されました。その後、弁護士より紹介を受けてご相談をお受けしたところ、担当医の先生からはまだ治療の必要があると説明を受けており、ご自身も治療の効果を感じていたため、健康保険に切り替えて通院治療をおこなうことになりました。

左膝の痛みは完治したものの、頭痛や首の痛み、腰痛が残存

ご自身の健康保険に切り替えて3か月程度治療を受けて左膝の痛みは完治したものの、頭痛、首や腰の痛みは続いていました。被害者さまによるとリハビリを受けたときは若干良くなるものの、すぐに痛みやこわばりが元に戻ってしまう状態であり、いわゆる後遺症の状態であると自覚されていました。もちろん、後遺症=後遺障害等級ではありませんが、担当医に相談したところ、症状固定の状態だろうとのことでした。

そこで、後遺障害等級の認定手続きをご依頼いただき申請をおこないましたが、「頚椎捻挫後の頚部痛、頭痛」「腰椎捻挫後の腰痛」の症状は、画像上、特段の異常所見は認め難く、診断書等からも自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことに加え、その他治療状況等も勘案した結果、後遺障害には該当しないと判断されました。

再申請(異議申立て手続き)

そこで異議申立てをおこなうにあたり、担当医にお会いして被害者さまの詳しい状態を伺いました。たしかにレントゲンなどの画像や神経学的検査でも異常が認められないとの診断でしたが、痛みやしびれの症状が残存した場合、画像上、外傷性の異常所見などが認められない場合でも後遺障害等級14級に認定される場合があることをご説明したうえ、治療内容や症状経過、症状固定後の状態などを文書で回答していただきました。

そして、異議申立てをおこなった結果、後遺障害等級に該当しないとされていた「頚椎捻挫後の頚部痛、頭痛」「腰椎捻挫後の腰痛」の症状は後遺障害等級14級に変更されました。

後遺障害等級認定のポイント

自賠責保険では頚椎捻挫や腰椎捻挫後の痛み、しびれ等の症状は「局部の神経症状」として後遺障害等級12級若しくは14級、等級にあたらない（非該当）の３種に分類されます。

被害者さまの場合、画像検査や神経学的検査で異常が認められないものの、筋緊張亢進を伴った疼痛が続いており、そのための治療を続けていることが評価され14級に認定されたと考えます。

治療費を打ち切られたからと言って完治に向けた治療を辞めなければならない訳ではないことを被害者さまは知ってください。また、被害者さまのように治療を続けたものの、症状が残ってしまった場合には「後遺障害等級認定手続き」をおこなうか検討してください。