高次脳機能障害　被害者請求で後遺障害等級併合2級認定

部位頭（脳）症状高次脳機能障害

札幌市在住会社員(平成22年10月事故)

路上での作業中に普通乗用車にはねられ、「脳外傷」や「腓骨骨折」等の診断を受け入院。その後、数日間の意識障害を乗り越えて回復し、1年6ヶ月に及ぶ治療を続けられましたが「記憶力の低下」、「イライラを抑えられない」などの感情障害、「二つのことを同時に行えない」「計画を立てて行動できない」などの遂行機能障害と耳鳴りなどの後遺症が残存しました。

被害者さまと初めてお会いしたのは、事故から約半年後、まったく事故解決までが見通せない状態の中で被害者さまご家族から相談を受けました。

相談時にご説明したことは、
①まずは治療を継続して治癒を目指す、気になる症状があれば医師に相談する。

②それでも残ってしまった症状については後遺障害等級認定手続きを行う。

③認定された後遺障害等級に基づき、損害を賠償してもらう。

交通事故解決までのながれをご理解いただき、後遺障害等級認定手続きをご依頼いただきました。

日頃の被害者さまの症状や行動、言動をご家族から詳しく聞き取りした上で残存している症状について把握し、その後、その症状について診療科ごとに担当医と面談して、症状を明らかにする検査や意見書などの作成をお願いしました。そして、検査結果や意見書などを添付して被害者請求手続きを行い申請から約6ヶ月後、後遺障害等級併合2級の認定がなされました。

被害者請求で後遺障害等級を求めた場合は、等級認定されると自賠責保険金がすぐに被害者さまに支払われます。この保険金で当面の生活費などがまかなえ、さらには示談交渉を弁護士に依頼することもできるのではないでしょうか。被害者さまも現在、弁護士に損害賠償請求を依頼して相手方と交渉中とのことです。事故から2年6ヶ月以上が経ちますが、せめて充分な賠償をしてもらわなければなりません。

後遺障害等級認定のポイント

高次脳機能に障害を残された方は、病識の欠如（症状があるにもかかわらず被害者本人は気付いていないなど）により、自覚していない後遺症が多く存在する場合があります。見た目では判断できない多岐にわたる症状について、周りにいるご家族を含めて詳しくお話を聞く必要があります。その聞き取りした症状をもとに医師に面談して、自賠責保険上、必要であろう検査や意見書の作成などを依頼します。この一連の作業をヨネツボ北海道では医療調査と呼び、この医療調査を通じて、被害者さまの後遺症を明らかにして被害者請求手続きを行っております。